Bマンション
建築途中で放置された物件の姿は、周囲と調和せずに異様な存在感を現す。

長年、打ちっぱなしのコンクリートは変色し黒々する。
更に年月が進むと、表面は剥離し、そこから雨水などが浸食し倒壊させる。
建物の周りは雑草が自由に伸び、コンクリートに這い蹲る。
田園風景が広がり、ちょっとした小高い丘の上、道路沿いにそれはあった。
隣の工場からは時折何かを叩く金属音が聞こえ、前の道を行き交う車の音が聞こえる。
建築が放置されてから大分時間が経過しており、残った単管には太い枝が巻きついている。
防護ネットも足場も外された建物は風雨にさらされ、建築途中系廃墟の独特の空気を放っている。
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