一方で、最盛期に1万5000人以上が暮らしたとされる街の姿はそのまま残り、往時の姿をしのばせる。「廃墟ブーム」の中で、八幡平の中腹、標高1000メートルの高地に鉄筋コンクリートのアパート、学校や体育館が並ぶ光景が注目されている。
 鉱山のふもとにある市立の松尾歴史民俗資料館には、鉱山鉄道の機関車や削岩機など当時の用具が展示され、数千枚の写真も保管されている。
 産業考古学会は、研究されないまま残るそれら資料や鉱山跡の価値を高く評価。昨年、国や自治体の文化財指定のない産業遺産の保存推進を図るために学会が独自に認定している推薦産業遺産に認定した。
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